翌日、僕のクラスの教室の前がざわついていた。


他のクラスの同級生達が廊下にわらわらと集まっている異様な光景を疑問に思いながら扉を開と、教室に入れないまま廊下に押し戻される。


「しっ……紫倉君!先輩に何したんだよ!」


教室へ入るのを阻止した犯人は、昨日、仕事を押し付けてきた応援団員のクラスメイトで。


「えっと……何か?」


「何か、じゃなくて!来てるんだよ、先輩達が!紫倉君に会いに!」


僕にしか聞こえないボリュームでこそこそ話す彼の話を聞き流し、教室の中を確認してみる。


「おっ!来た来た!おはようさん!」


教室の中の、窓際の前から三番目の席……僕の席にまるでそれが当たり前かのように座ってるのは、昨日の満島先輩。


そして、その満島先輩の傍らに背筋をしゃんと伸ばして立っているのは、赤嶺先輩だ。


彼女の凛とした姿を見ると、僕の中の化け物がドクン、と大きく震える。