ケータイ小説 野いちご

いつだってそこには君がいた。

episode7.離れ離れの教室




温かい日差しがカーテンの隙間から差し込む朝。
アラームが鳴るより先に目覚めると、起き上がってクローゼットの扉をスライドさせて開けた。


中の新しい制服を眺めると、身体のど真ん中が大きく波打つ感覚がした。


今日はとうとう高校の入学式。
私、高校生になるんだ。


憧れていたブレザーに袖を通すと姿見の前でおかしくないか何度も角度を変えて確認する。


それを終えると下に行って洗面台の前に立つと伸びた髪の毛にドライヤーをあててブローをし、ほのかに色づくリップを唇にぬると鏡に向かって笑いかけた。


人見知りで、今日の入学式が怖いはずなのに笑えている自分がとても信じられない。
ドキドキはする。はじめましての人だらけで存分に人見知り発揮しちゃったらどうしようって考えるのだけど、それ以上に信頼している友だちがいる安心感がすごい。


私には三人がいる。大好きなみんなが。
それだけで私は強くなれる気がして、恐怖にも打ち勝てる。



「行ってきます」



朝ごはんを食べて、家を出た。
新しい通学路を進む。駅に着くと買ってもらった定期券を改札にかざし、中に入る。


ホームにはもう既に三人がいた。



「おはよう!」



同じブレザーの制服を身に纏った沙月ちゃん、結城くん、それから高橋くん。
笑いかけると三人も同じように笑いかけてくれた。


さらさらな沙月ちゃんの髪の毛が風に揺れ、高橋くんの黒い髪と結城くんのこげ茶色の髪はワックスでまとめられているようだ。


少しだけ背伸びをした友の姿に微笑む。



「同じクラスになれるといいなー」

「そうだね」



高橋くんに同意を伝えると丁度乗るべき電車が到着して乗車した。
揺られること二十分弱。降りて、学校への道中を晴れ晴れとした気持ちで歩いた。





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