side 琉架



どれだけ好きなら、振り向いてくれる？


どれだけ好きだと言えば伝わるんだ？




……どんなに好きでも、好きだと言っても、伝わらない想いがあるってことを知った。



俺が好きだと言っても信じてくれないくせに、彼女は俺を大切だと言う。


こんなに彼女を思っているのに、彼女は他の男が好きだと言う。



だったら俺はこれ以上どうしたらいい？




『相談に乗ってほしい』



そう言われたとき、俺の中の何かが崩れ落ちた。



俺が今までしてきたことは、全て無駄だったんだと思った。



何も伝わってない。


初めから相手になんてされてなかった。




俺の知ってる紗季はいつもどこか冷めてて、あまり感情を出さない女だった。



なのに。



『好きな人がいる』



そう言った彼女の顔は真っ赤で、照れ臭そうに下を向いてた。