side 紗季



「おっはよー!紗季!」



教室に入ると、親友のつぐみが声をかけてくれる。




「おはよ、つぐみ」




つぐみの後ろの席に座り、机の横に鞄をかけた。




「で?今日は何通?」




つぐみはニヤニヤとした顔で面白そうに聞いてくる。




彼女は私の下駄箱に入っている手紙のこと聞いているんだ。





「6通だよ」



「ひゃー、相変わらずのモテッぷりだね」




モテたって嬉しくないんだけど。




「それもご丁寧に返してくるんでしょ?」


「うん」



「読むくらいしてあげたらいいのに」



「気もないのに読んだって意味ないし。HR終わったら返してくるよ」




「ご苦労様ー」





他人事みたいに言ってくれるよね。

まぁ、確かに他人事なんだけど。