ピピピ……ピピピ……。
朝、セットしておいた携帯のアラームが鳴る。
俺は右手だけをタオルケットから出し、アラームを止めた。
……なんだ、まだ7時か。
家から学校までは歩いて15分。
あと30分は寝ていられる。
二度寝しようと再び体を横向きにした時。
ガバッとタオルケットを剥がされた。
「起きなよ。アンタまた二度寝して遅刻するよ」
ボーッとした目でその剥がした人物を見ると、黒髪セミロングの美女の姿。
「なんだよ、紗季」
彼女は俺の幼馴染。
高瀬 紗季(タカセ サキ)、俺のふたつ上の高2。
彼女を一言で表すとすれば、クールビューティーという言葉が似合うだろう。