「きゃーー!」

「ねぇねぇ、格好良くない?」

「わー、ほんとだねー!」


そうな声が聞こえ始めてから5分。

未だに聞こえている。

「瑠花【るか】、私帰るね」

私は友達でいつもつるんでいる尾野崎瑠花【おのさきるか】に言った。

「はいよー。私も帰る」

「んじゃね」

「おーう」


別れてから校門に近づくほど歓声が高くなる。

知らんぷりをしよう。


「あ、樹月ちゃん、助けて!」


「て、店長?!」

呼ばれた方を見ると女達に囲まれた、店長がいた。

「何してるんですか、店長」

「い、いや、まずは助けて!」

言われたとおり、でも、目立たないように助ける、というより腕を引っ張るのだが…で、校門から逃げた。