そう思えた瞬間、自分は自分の誕生を見る。

自分は、生きる資格がある。
そう悟る。

自分を死に至らしめたのは、まわりの人間達や社会。
そのまわりの物達が、自分に値札を付け価値を決めてしまうのは容易い。
しかし、それすなわち自分の価値ではない。
自分は自分だ。
自分は生き。
喰らい。
死ぬ。
それは、何者でも否定する事は出来ない。

いつしか自分に骨が付き、肉が癒着し。
皮が覆った。
髪が生え、目玉が付き、歯が生えた。

カナブンやカブトムシ。
タヌキ、猫、イタチがこちらを見ている。

竹が竹の子になり、蔦が窓から外に立ち退く。

畳が畳として、列にはまり。
ドアがドアとして部屋に収まった。

気付いたら動物達は消え。

自分は布団で寝ていた・・。

昨日の自分は死んだ。
そして

新しい自分が起き出したんだ。