梅雨入り直後の空はひどくご機嫌ナナメで、今にも泣き出しそうなのに、ずっとぐずぐずと湿気を帯びたままだった。


天気予報は曇りのち晴れ。


予報を信じて傘を持ってこなかったけれど、本当にのちに晴れるのか疑わしいくらいに、太陽はひっそりとその姿を潜めていた。


この時期独特の生臭さを孕んだぬるい空気が体にぴったりと纏わりついて、いつもより体が重い。


元々視力が悪くてはっきりしない視界は、更にぼんやりとして、しつこく目を瞬かせてみても、細めてみても、何も頭に残らない。


あたしの反応など気にせず隣でぺちゃくちゃとお喋りを続ける友達の声も、一枚壁を隔てたように、遠くに聞こえた。


.