漸(ようや)く止まった涙

好きな人に醜い姿を晒したくはない。

完全に化粧の流れて落ちた酷い顔だとは思うけど…

今更隠しようのない現状に諦めにも似た気持ちで圭ちゃんの横を並んで歩く

向かったのは駅と自宅の中間にある公園のベンチ

その公園は私たちが幼い頃によく一緒に遊んだ場所だった…

圭ちゃんはペットボトルの水とハンカチを一緒に渡してくれながら聞いてくる。

「咲、元気がないように見えるけど…何かあった?俺で良かったら話しくらい聞くよ」

相変わらず優しい圭ちゃん

(あぁーーどうしよう、やっぱり好きだぁーー)

酔いと泣いた事でボォ~とする頭で、そんな事を考えていたら

「おい!咲…大丈夫か?」心配そうな圭ちゃんの声に…

「あの…何でもないの」咄嗟にそう口にする。

酔いに任せて思わず告白なんてしてしまったら今みたいに一緒に居る事も叶わなくなる

そんなの絶対にイヤ

「無理に話さなくても構わないけど…咲に信用されてないみたいで寂しいな…」

憂いを帯びた顔でそんなこと言われたら先程までの決心も揺らいでしまい、思わず言葉が零れだす