『好きだよ、七恵。世界で一番、七恵のことが好き』

『彼方くん……私も、彼方くんのことが大好き!あのね、実は私30歳なの!でも彼方くんのことを……』

『はぁ?30?嘘つくとか最低。そういう人だとは思わなかった。やっぱり無理、別れよう』

『え!?そんな、待って彼方くん!待って……』



「待ってーーー!!!」



泣き叫び、その瞬間ズドン!と響く音と体に伝う痛み。



「いっ〜……」



目を覚ませば、たくさんのぬいぐるみが並ぶ出窓の脇。可愛らしい白いベッドから落ちたみっともない姿の自分。

じんじんと痛む背中と頭に、さきほどのことが夢だったことに気付く。



「ゆ、ゆめ……」



みなさん、おはようございます。

先日彼氏ができた、川崎七恵・30歳です。

恐ろしい夢を見て、こんなみっともない格好で目を覚ましました。そんな朝です。