「ちょっといいかな?」

う、そ?なんで?

「私はこう言う者です。」

ゼルビアプロダクション
高瀬咲夜

私の声を否定した張本人。

「あなたたち二人の声に惹かれました
私の所で働いてみないか?」


なんで?
私の声を否定したんじゃないの?
なんで今になって惹かれたとか言ってるの?

「バカにしないで。」

「笑実?」

「私は一度あなたに私の声を否定されてるんです。
あなたは覚えてないかもしれません。
それでも私は地獄に落とされているんです。
何度私は歌手志望を辞めようか悩みました。

それでも歌が大好きだから
お客さんの笑った顔がみたいから
めざして来たんです。

それを否定されてまた突如現れて
惹かれただって?
バカにしてますよね?

私はそんなに甘い覚悟で歌手を目指してる訳ではありません!」


「笑実…


高瀬さん。すみません。とりあえずこの話は後日にさせてもらえませんか?
こちらからまたお電話させてもらいますので。」

「はい。
そして昔の話だとしても申し訳ありませんでした。失礼します。」


「笑実。今日はとりあえず帰ろっか?
それでまた話し合お?
ゼルビアっていったら大企業なんだからさ。」

「うん。ごめんね。」