昨日は叶多に海に連れてかれて感動して家に帰ったらそのまま寝てしまったんだよね。

朝起きたらシャワー浴びようって思ってたのに
時間がないー!
なんで誰も起こしてくれないのよ!

もう8時20分じゃない!!
シャワーいらない。歯磨き1分着替え30秒。洗顔10秒。寝癖治し学校!
僅か1分40秒で準備出来た私を誰か褒めてほしいよ。

今から学校向かったらギリギリかな?
とりあえずダーッシュ!!!


ハァハァ……
なんとか間に合った。


「おそーいよー」

「ごめんね!夏音ちゃん!」

今はそれどころじゃないのを察してほしいよ。
私は疲れ果てています。

「今日二人でボイトレしない?」

「え、いいの?」

「勿論だよ!笑実の声好きだし!」


ありがと!
夏音ちゃんには負けるけど嬉しい。
プロになったら夏音ちゃんにも負けないけどね!

私は今日の約束のことで頭いっぱいで
授業を受けていたけど全部右から左だった。

「私の家来る?」

「え、夏音ちゃん家大丈夫なの?」

「大丈夫だよー」


「そしたらお伺いしよーかな!」

そーして初めて夏音ちゃんの家にやってきた!
のだが……なんだこれ!?

えーっと。
表現はまさしくお城と言葉がピッタリでしょう。
中に入っても玄関でなんと10畳!
リビングなんて20畳あるらしい。
なにこの違い。ちょっと虚しくなるよ。

「それじゃ始めますか!」

夏音ちゃんの掛け声で歌い始める予定だったんだけど


「あれ?何歌うの?」

「笑実ちゃん決めてなかったの?そしたら私がいつも歌ってるのでいい?」


私は頷いて、夏音ちゃんの作詞した歌を歌い始めた


あー、一緒に練習して実感するな。
歌声。スキル。声量。
全てが私より上。
でも、逆に考えたら私より上の人間と一緒に練習出来てるってことは上達するいい機会だよね!
よし!気合い入れて頑張ろ!