「やっ!」
私は、急いで電話を切った。
携帯からはツーツーと音が聞こえた。
私は、コンビニの外を見た。
車道越しに電信柱に寄りかかる、あの人がいた。
うっすら笑みを浮かべて、私に手を振っている。
どうしよう、誰か助けて。
《いつでも、電話していいから。》
仁の顔と、昼に言っていた言葉を思い出す。
そうだ、仁に電話!
震える手を抑え、仁に電話をかけた。
お願い、出て!
3コールほどすると、仁の声が聞こえた。
「由奈?どうした?」
「助けて、悠也さんがいるの。」
怖くて堪らない、仁助けて。
不安が頭を過る、このまま雄也さんに連れていかれるかも。