【羽珠side】
「本日も安定のカッコよさです。席に座ってるだけなのにカッコイイ」
「どこが?無愛想なだけじゃない」
「そこが堪らないの〜!しかも、最近は優しいし♪」
明らかに大きなため息をついて、あたしを見る皐月と過ごす昼休み。
そんな冷たい視線を碧依くんに送らないでよ〜!!
はぁ〜………最近のあたしは、毎日席替えしないように祈ってるんだよ?
席替えしたら碧依くんと離れちゃうもん!
「そいえば、もうすぐテストだね」
「ぐわぁっ!さ、皐月……それ言わないでよ…」
「たまたま思い付いただけよ。数学が難しいのよね〜」
「あたしは全教科難しいっす……」
しかも、次の授業って数学じゃーん!
難しいから数学なんて大嫌いだぁー!!
いいや、またノートだけとってあとは碧依くんを見てよう。
目の保養!!
「隣の無愛想男に教えてもらえば?」
「絶対に“嫌だ”で返されて終わり!」
「やっぱり無愛想じゃないの」
それでも碧依くんは優しいから、あたしは良いの!