ここまでじゃなかった気がする。
「あらー、疲れた顔してるわね。」
他人事のようにいって笑うミユキに肩を竦めた私は、この頃何度目かわからないため息をついた。
「かれこれ3週間。
…毎日の送り迎えとそののちの私の部屋への入り浸り行為。
迷惑以外の何事でもないわ。」
お前彼女はどうした、と叫びたいほど、私にべったりな尚は、にこやかに迎えに来てにこやかに送る。
意味不明な幼馴染の行動に私は疲れていた。
「嬉しいくせに。」
「あのね、ミユキ。
ここまで来るとそんなもんじゃないわよ。」
「まぁ、彼氏の束縛みたいよね。」
笑えない、笑えないよ。
くすくす笑うミユキを一瞥した私は、恐怖の迎えを今日も待つことになると思っていた。