私たちは兄妹になった。義理だけどそれがすっごく嬉しかった。

私は一人っ子でいつも周りには子供の事を考えない大人ばかりいたんだ。

中でも私の祖母に当たる、霧島 紗子といえば、日本を代表する大企業の社長。

自分の思い通りにする為なら誰であろうと容赦しない。それが私の祖母。ひどい人でしょう?

でも、逆らうことのできない私はそれに従うしかない。逆らったらきっと痛い目に会うから。

そんな感じでボーッとしてたら前から声がした。

「どうしたの?」

悠斗さんの声がした。

「いえ、何も。お母様の顔をみれた事ですし、私はこれで失礼致しますね?」

「あら。もう帰るの?もう少しいれないかしら…?」

お母様は私に尋ねた。今は4時。まだまだ時間はあるけれど、なんとなくこの場にいたくなかった。

「申し訳ありません…私は帰ったらおばあさまからお話があるそうなので。私は失礼します。」

私はそう言った。

この時、悠斗さんが寂しそうな顔をしているなんて


私は知りもしなかった。