1時限目が自習ということで、うるさい教室から離れるようにやってきた裏庭。


ちょうど壁によって日陰が生まれている部分へと寝ころんで、空を見上げる。



流れる雲と、鳴きながら飛んでいく鳥。


ざわざわと風に揺れて音を立てる木々に意識を持って行かれていたとき。

はぁはぁと走ってきたのか、壁の向こうから息を漏らす声が聞こえてくる。



遅刻か。


そう考えてその声を聞いていれば、その声は門の方へと向かわずに、壁を登っているようだった。