毎日毎日、必死に祈り続けた。


あまりよく眠れなくて頭痛がする。


顔色が悪いって、親にも祐輔にもずいぶん心配された。


重い体を引きずりながら登校する毎日は、辛かった。


今日もたぶん、大樹は学校に来られないんだろうな。


そう思いながら教室に一歩踏み込んだ足の動きが、ピタリと止まった。


そして、あたしの目が一点に集中する。


・・・・・・大樹!!


大樹がいる! 席に座ってる!


見慣れた、色白の肌に大きな目。小柄な体。


少し痩せたように見える。


でもその姿を見たとたん、あたしの全身に大きな喜びが駆け抜けた。


鉛のように重かった体と心が、羽が生えたみたいにふわぁっと軽くなる。


口から喜びの悲鳴が飛び出しそうになるのを、必死にこらえた。


大樹! 元気になったんだね!?


良かったーーーーー!!


飛び跳ねるように大樹のそばに駆け寄る。


大樹もすぐにあたしに気が付いて、あの可愛い笑顔を見せてくれた。


「佳那、おはよう!」


「大樹、もう大丈夫なの!?」


「うん、心配かけて本当にごめん。すっかり元気になったよ」


「良かった・・・! 本当に良かった!」