祐輔がいつも通りの挨拶をしてくれた。

それってつまり・・・・・・


やっぱり祐輔も、元通りの関係に戻りたいって考えてるんじゃないかな?


そうかもしれない。うん。きっとそうだよ。


このまま普通にしていれば、あたしたちは元通りになれる。


動揺してる自分の気持ちを無視しながら、無理にそう結論付けた。


「佳那ー。次、教室移動だよー」

「あ・・・う、うん!」


うっかりしてた。次の授業パソコンだっけ。


由依に促されて慌てて立ち上がった時、ペンケースを落としてしまった。


拾おうとして身をかがめ、床に手を伸ばす。


すると、同じようにケースを拾おうとする手とぶつかった。


無意識に顔を上げ、その相手と目が合う。


・・・・・・祐輔だった。


―― ドキ・・・


あたしの心臓が、また騒ぎ出す。


目を逸らそうとしたけど、できなかった。


まるで縫い付けられたように祐輔から目が離せない。


祐輔も、じっとあたしを見つめている。

そして・・・・・・


―― キュッ


こっそりと手を・・・・・・握られた。


真剣な、熱い目をした祐輔に。