青葉side



急な坂をのぼりきって門を過ぎたあと、駐輪場に自転車を停めた。




「ふぅーっ!!なんだよ、この坂。ダルすぎ」




肩を上下させて顔をしかめているのは、俺の中学からのダチの、志摩勇二(シマユウジ)。




チャラい見た目とは違い、中身は意外と素朴。











「キャッ、青葉くんだ!同じ学校だったんだ~」




後ろの方で、女子の声が聞こえる。




あれは、卒業式で俺にコクってきた子かもしれない。




俺はすかさず振り向き、笑顔を添えた。




「よぉ、久しぶり。この前の返事、しばらく考えさせて」




「うん!!いつまでも待つね。キャ~、青葉くんがあたしのこと覚えててくれたよ」




女同士、手を取り合い感激している。