入院して数日。


すっかり熱も下がって回復しつつあった。


それでもまだやっぱり本調子ではなくて、点滴もまだ必要らしい。



早く退院したいって言ったけど、主治医の呉内(くれない)先生はそれを許してくれなかった。



「絶対まだダメなんてひどいですよね!」



点滴をしに来てくれた宮下さんにブツブツグチる。



数日も経てば顔馴染みになってすっかり仲良くなった。



「油断しちゃダメだって最初に言ったでしょ?良くなったと思っても体の中には菌が残ってるんだからしっかり治さなきゃ」



珍しく真面目な顔で宮下さんが言う。



いつも笑顔のイメージがあったけど


こんな時は厳しいようだ。