家に帰ると、すぐにLINEをチェック。

だって、れおからきてるかもしれないし。

…って、ある訳ないか。

ドンッ ドンッ

あっ…。

家の中でも響きわたる、花火の音。

今は夏。

祭りも頻繁にやっていた。

私はベランダへ走る。

……見えない…。泣

…あ。

れおの家からは見えるかなぁ。

れおにLINEをしてみた。

〈いまね、花火の音がするの!聞こえる?〉

返信…帰ってくるかなぁ…。

でも今日話したし。

うん。きっとくる。

…って、きたわ笑

〈きこえる。〉

〈見える?〉

〈見えねぇ笑〉

〈私も笑〉

〈てか、虫多っ笑〉

〈ベランダ?うちもだよ!〉

〈あっ〉

〈ん?〉

〈見えた笑〉

動画もあった。

見ると、そこには綺麗な花火が映されていた。

〈すごいきれー笑〉

〈東のほう見てみ?〉

私は方角を調べて見てみた。

あっ…。

なんで気づかなかったんだろー

ってぐらいきれいで、大きな花火だった。

〈見えたよ!〉

私も動画を送った。

〈俺のほうがキレイに映ってる笑〉

〈いやっ、うちの方が笑〉

ドンッ ドンッ

…ハート形の花火だった。

れお…見てた?

いま…ハート形の花火が…

ブー ブー

LINEがきた。

〈じゃあな!〉

…。

れお…見てたかなぁ。

一緒に…ハート形の花火。

見てたら、うれしいな。

私は、花火が終わるまでずっと見ていた。


最後の火花が、消えるまで…。