莉季亜(りいあ)~side~


「ねぇ~、ねぇ~。
陸ぅ~今日、陸ん家いってもいぃ~?」




「あぁ、こいよ」




「やったぁ!
陸大好きぃ~!」




こんな会話をしているのは私ではない。



私の彼氏、陸は毎日違う女の子と遊んでいる。



そして、彼女の私はというと………



「………ふぇっ………ぐすっ……
禀ちゃっ………」



そんな陸を見て毎日泣く私。


私は本当に陸の彼女なんだろうか………?



「よしよし。
もう、あんな男やめなよ。
なんで、あんなんのが好きなのさ?」


私が泣くたびに慰めてくれる心友の凛ちゃん。



「でもっ
好きなんだよ………ひくっ」



凛ちゃんはまだ嗚咽を漏らす私の背中をゆっくりなでてくれる


「わかったわかった。
今は、泣きな。」



「ありがと……禀ちゃん……」



「落ち着いた?」


数分してから心配そうに私の顔を覗きこむ凛ちゃんの顔。


もう心配かけまいとムリヤリ笑顔を作った。


「うん……もう、大丈夫!
心配かけてごめんねっ!」



「うん、だけど、泣きたい時は言うんだよ?」



「わかった!
ほんとにありがとね、禀ちゃん!
大好きっ」


今度は本当の笑顔を凛ちゃんに向けると


「その顔、絶対に男に向けちゃだめだからね。」


と、言われる。


急に真剣な顔をして言う凛ちゃん。


「え!そんなに不細工な顔だった!?
今度から気を付ける!
教えてくれてありがとう!」


その顔を男に見せたら引かれちゃうから見せちゃダメだよってことだよね?

凛ちゃん。親切♪


「いや、そういう意味じゃないんだけど……」


禀ちゃんが呆れた顔でなにか言ってたけど、ま、いいや!


そんなことを頭の隅で考えていると次の授業を知らせる予鈴が響いた。