「へ、あ……れ?」

 周りを見渡せば、今まで一緒に立っていた人は驚いた様な目で私を見ている。とかいう私が一番驚いているんだけど……何が起こったの? それになんだか、すごくせま――

「おい」

「――へ?」

「大丈夫か?」

 そう言った男の人は私の横に座っていて……あれ、でも反対には違う人が座っている。

 ここは二人用のシートのはずだから、私が座ってしまったせいで無理やり三人で座っていることになる。なるほど、どうりでギュウギュウのはずだよ……。

「あの、もしかして……引っ張ってくれたの、あなたですか?」

「あぁ」

 そう言った男の人は、黒髪で足が長い……この分だと背が高そうだなぁ。顔のパーツも整っていて、すごいイケメンだなぁ。