「そういえば、刀持ってねぇよな」
「え?」
「いや、新選組ん中にいるのに刀持ってねぇってやっぱ変だなと思ってよ」
「はぁ…。確かに平隊士の方がそう言ってるのを聞いたこともあるけど」
「だろ?俺のつかってねぇやつやるよ」
立ち上がった平助さんに来いよ、と促されたので私もたって平助さんに続いた。





「これ、そんな大きくねぇから重くもねぇし、丁度いいだろ」
「重く…ないね」
みんなが持っているものよりは大きくないからそりゃ比べたら重くはないけれど、やっぱり刃物って思うと気持ち的に重い。
「いざって時にも持ってたほうがいいしな」
「それはそうだけど。私、刀なんて扱えないし」
「あぁ、そっか。じゃあ俺が教えてやるよ、今暇だし」
「私は繕い物があるから暇じゃないの。平助さん手伝ってくれる?」
「めんどくせぇ」
「…。」
どうせ新八のだろ?と聞かれて頷く。
「じゃ、それは明日でいいよ。俺が許す」
「わぁーうれしい。じゃあ平助さんにおしえてもらおー」
「すっげぇ棒読みだな」
「だって平助さんの暇潰しに付き合えってことでしょ?」
「まぁな」
まぁいいかと貰ったばかりの刀を持ち上げた。部屋にこもっているよりは体動かしたほうが楽しいし。私ごときが平助さんの暇潰し相手になれるというのならやってやろうじゃないか。
「急に刀は難しいから道場から竹刀借りてこようぜ」
「うん」