それから圭ちゃんは私の母に話した。
私が母の男に襲われそうになったと聞き
気まずそうに黙りこんでしまった母。
「....いろいろ落ち着くまで、
るいさんの事は俺に任せてくたさい.....」
そう言う圭ちゃんに母は何も言わない。
それを圭ちゃんは肯定ととったのか
「行こう。」と言うと私の手を握り私の家をでた。
母は何か言いたげな表情をしていたが
結局何も言わなかった。
別に、何か言ってほしかったわけでも
引き留めてほしかったわけでもない。
私は圭ちゃんに握られた
温かい手を強く握り返していた。
圭ちゃんは大学生で一人暮らしをしていた。
二人でも全然、住める部屋だった。
__それから私達は幸せな毎日を送っていた。
圭ちゃんは就職も決まってバイトな日々で
私は学校へ行き、帰ってきたら夜ご飯の準備して
二人で楽しくおしゃべりしながらご飯を食べて
休みの日は二人でお出掛けして.....それに
キスもした、それ以上のことも圭ちゃんとした。
私が落ち込んでいる時はいつも頭を撫でてくれて
手を繋ぐといつも温かい手で強く握り返してくれて
いつも私の好きな優しい笑顔で、優しい声で、
『 るい 』と呼んでくれるのがすごく嬉しくて。
圭ちゃんはいつも優しくて、私を大切にしてくれて....
私は産まれて初めて本当に幸せだなって思えたんだ。
___ねぇ、圭ちゃん。
私は何よりも誰よりも
圭ちゃんだけが大好きだったんだ。
私には圭ちゃんだけだったよ。
___ねぇ、圭ちゃん。圭ちゃんは違かったの?