8月のなかば、少しだけ涼しく感じる夕方の6時頃、私は額の少しの汗で目を覚ました。
『あぁ〜ヤバ、お昼には起きる予定だったのにぃ〜』
まだ、寝起きで声が出にくい、そっと目を擦りながら、ボォーっと少し日が落ち出した窓の外を数分見てから…!!!
ハッと!!!
一気に起き上がり、シャワーへ。
…今日は、私の旅立ちの日なのに
またやっちゃったなぁ。
電車間に合うかなぁ?
チケット入れたよな!?
シャワーを浴びながら、ボソッボソッと独り言が声になる。
『明日で、二十歳かぁ〜〜〜(>_<)』
嬉しさと、沢山の不安と、沢山の期待が沢山詰まった身体を隅々まで洗い身を引き締めた。。。ま、夕方だけどね♬(笑)

19歳から一人暮らしをしている私、梶栗 楽喜!(かじくり らき)
ダメダメなパパが、私はラッキーに沢山恵まれるように、楽しく喜びの日々が送れるように付けた名前らしい!
私が14歳になった年に行方知れずになったパパが付けた名前とは…ん、何だか不吉だけど(笑)
でも、それもこれも今までの暮らしも、今日まで、今日の19歳で終わり。
未成年からのお別れ!凄く嬉しいの。
心が踊る感じかな〜〜♬
って言ってるうちに出掛ける支度をしたら、もぅ夜8時!!!
『ヤバイぞ、電車がぁぁ〜〜〜(>_<)』
いつも、遅刻魔な私の悪いクセだ!
バタバタ荷物を持ち、7年近く住んだこの、想い出の家を後にする。
『お婆ちゃん、行って来るねっ♬』
玄関から、家の中へ小さく声をかけた。
この家には、もう誰もいなくなる。
ママは、私が産まれた次の日に亡くなったらしい。それからは、パパが私を育ててくれてたけど、そのパパが急に行方知れずになった14歳の時、お婆ちゃんが私を引取り、育ててくれた…そして、そんな大切な家族の一人だった婆ちゃんまでも、去年私が19歳になる前日に病気で逝ってしまった。
私は1年の間、一人ぼっちでこの家に暮らしていたんだ。
今までありがとう。感謝しています。
この家、そして大切なお婆ちゃんに⭐️
沢山の感謝を心から伝えた。
鍵をゆっくりと閉めたら、涙が一粒だけ出た。
頬を伝った涙が口に入って来て、塩っぱさを感じて、何故か笑えた。
さて〜これからは、笑顔で行かなきゃ!と心に誓い駅へ向かった。