その日の模試は雪が降りしきる悪天候で始まった。


傘を差していても、下から舞い上がって視界を悪くする。


そのうえ、傘ごと持っていかれそうな風が強く吹いているとか何だろう。これはいじめか。


実際傘につられて転びかけ、あわてて柄を握りしめるはめになった。


足元はブーツだからいいけど、手はそろそろつらい。


手袋の縁から入り込んでくる冷気が厳しさを増している。


……うう、早く暖房に……!


冷たいし寒いし雪痛いしで目を細めると、視界がさらに悪化。


……くそう、やっぱり何も改善しなかった。


建物の中に入ってしまえば暖かいはずだと、わたしは滑りそうな足を慎重に速めた。