《愛空サイド》
「じゃ、いってきまーすっ!」
「いってらっしゃい」
お母さんに見送られ、私は家を出た。
「……ふぅ」
今日から2学期初の授業か……。
夏休みが終わってもう3日経つんだ。
そう思いながら空を見上げた私・逢坂愛空(あいさかめぐ)は、高校2年生の普通の女子。
そんな私にはちょっとした悩みがあるのです。
「あ、逢坂さんおはよう!」
「た、た、田中くんっ!あ、お、おは……っ」
同じクラスの田中くんに話しかけられた私。
「あはは、相変わらず逢坂さんは面白いなぁ~じゃ、また教室でね!」
田中くんはそう言って私の背中をポンッと叩いて去っていった。
その瞬間、私の顔は一気に熱くなる。
ああ……まただ……。
そう、私の悩みは“男子が大のニガテ”そして“男子を目の前にしたり、触れられると赤くなっちゃう”ことなんです。