月見に誘われた。
 



麗音は涼音の家に行くのに時間短縮の路を見つけて、その途中に古びた公園があるらしい。
 



そこは山の中だが一か所だけ樹が晴れていて、街路灯もないので夜天の星月がよく見えるのだそうだ。
 



中秋の名月は過ぎてしまったが、満月を見に行かないか? という麗音の誘いに、涼音は二つ返事で乗った。



ちゃんと景周や莉々の了解もとった。
 



――夜はすきだ。

月の夜。麗音と出逢えてから。