ケータイ小説 野いちご

モテるんは俺の趣味やっ!

あほくさいやっちゃ。








たっちゃんとカラオケに行った翌日。




土曜日、今日はサークルの日だ。





色んなサークルの部室が集まっている建物、通称『サークル棟』に入ると、奥のほうから、腹に響くような低音が響いてくる。




あたしの所属している『フォークソング愛好会』の部員の誰かが、ドラムとベースを鳴らしている音だ。





ちなみに、このサークル名は、実態とはかなり異なっている。




サークル内で組まれているたくさんのバンドを見渡すと、どれもメタルやらハードロックやらパンクやら、あるいはメロコアやらで、みんな筋金入りのロック好き。



というわけで、誰一人フォークソングを愛好している部員は見当たらない。




だけど、『フォークソング愛好会』。




なんでやねん、と思うだろうが、これには歴史的な?背景があるのだ。





OBさんの話によると、その秘密は、このサークルの創設者の方が名前を決めるときまで遡る。




ロック系の音楽をやるとなれば、『軽音楽部』という名前がスタンダードだけど、その『軽』が気に食わん!ということになったらしいのだ。





そりゃそうやわな。



ロックだってれっきとした音楽だし、やってる人はみんな真剣なのに、『軽い音楽』ってなんやねん! 失礼極まりないわ! ってなもんやわ。






そんなわけで、誰もフォークソングをやらない『フォークソング愛好会』が誕生したってわけ。




なにもフォークソングにしなくても、『ロック愛好会』でええやん、と思うけど、ま、なにか事情があったんやろ。









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