光子と校門前で別れた杏奈は、家へと帰った。

部屋に入るとすぐに、ケータイ小説サイトラブチェリーのマイページにログインする。
ドキドキしながら、読者数を確認してみた。

甘々警報発令中! 読者数 14人。

優等生くんの裏の顔⁉︎読者数3人。

……まるで、なんの変化もない。それどころか、優等生くんの裏の顔⁉︎は、貴重な読者数が、ひとり減っている。

こんなので、人気作家になんてなれるのかなぁ……。

はあ、と杏奈は、深いため息をつきながら、制服を脱ぐ。

もう、優等生くんの裏の顔⁉︎の続きも思い浮かばないし、書くのやめちゃおうかな。
次は、同居とか、切ない系とか、流行りのテーマを取り入れた作品にすれば、たくさんの人に読んでもらえるかもしれないし。でも、私が書いたって、どうせだめかな、やっぱり……。

杏奈は、後ろ向きな考えばかりして、ゆったりとした部屋着に着替えたのだった。