バスに揺られながら、詩織は小さく震えていた。

お前らは呪われた……。それに、あの、あは、あは、あは、という異常な文字の羅列……。

マリア様は神様じゃないの?

バスの窓にうつった自分を見つめながら、そう考えていると、携帯電話が震えた。

響太からだ、と詩織はちょっぴり元気になり、携帯電話を開いた。

【†傲慢† おごり高ぶったあなたは、手が届かなかったはずの砂糖菓子を食べたために、苦くて哀しい選択を迫られることになるだろう】

メールの意味はわからなかったが、薄気味悪い物を感じて、すぐに携帯電話を閉じた。

次から次へと、おかしなことが怒って、頭がおかしくなりそうだ。
停車したバスから、詩織はよろめくようにしておりた。相変わらず、ひどい雨がふりつづいている。

響太に会いたい……詩織は心の底から思った。

しかし今日はまだ、響太からメールの返事が1度も返ってきていない。
はあっ、とため息をつくと、また携帯電話が震えた。

もしかして、またあの薄気味の悪いメールが送られてきたのでは、と用心深く携帯電話を開く。
響太からの着信だったので、ほっとした。