「・・・柚美?」

「ごめんなさい・・・。
私、『AZUMI』が好きだから・・・」




私は右手で涙を拭うと、部屋へ向かった。

何でだろ・・・いつもは泣かないのに。




ふぅ・・・と息を吐き、床に座りこむ。

恥ずかしいなぁ・・・泣くなんて。




「ブーブーブー」



私の鞄に入っていたスマホが鳴る。

誰だろ・・・?



っていうか、いつの間に鞄が運ばれていたんだろ。

帰って手洗いに行ったときでも、お兄ちゃんが運んでくれたのかな?



起動させ、画面を見る。

どうやらメールらしい。

ただ・・・知らないメアドだ。



【桜田と付き合っているんだね】



・・・何これ。

どういうこと?

付き合っていないし。



私は返信ボタンを押す。