『紗弥さん 会いたい』


そう、連絡がきて あれ?と思う。



いつもなら、連絡より先に来ちゃうのに。


まあ、いいや と部屋着から着替えて軽く化粧。


一紗は近くの駅で待ってるらしい。



慌てて家を飛び出した。




「一紗!」


ボンヤリとたっていた一紗に声をかけると、ビクッと反応してこちらに向いた。



「あ、さ、紗弥さん」


「どうしたの?いきなり」


「……うん、ごめんね」


責めてるわけじゃないんだけどね。


「いいよ、別に。 で、どこ行くの?」


「紗弥さん、昼食べた?」


「うん、食べたよ」


「じゃあ、どうしようか」


「ねえ一紗、」


ん?と首を傾げた一紗を、真っ直ぐ見つめる。



「なにかあった? 正直に言って」


目を丸くした一紗が、軽く笑い、呟いた。


「紗弥さんには敵わないなぁ…」


「誤魔化さないで」


「…………うん、とりあえずどっか入ろう」




一紗が入ったのはチェーン店のコーヒーショップだった。



「アイスのロイヤルミルクティーとカフェラテを……アイスで」