「うん……。………はっ」

気づくと、目の前には高い天井が。

微かに薫る木の匂い。

……ここ、どこ?

そんなとき、ガラッと右にあった扉が開いた。


「目覚めたか」


やってきたのは、さっきの美しい男性だった。

「は、はい。あの、先程は助けていただきありがとうございました」

「礼はよい、と言ったはずだ」

「は、はい…」


なんか、愛想の悪い人だなあ…。

というより、ここ、どこ?

私は周りをきょろきょろと見渡す。

「ここは、佐和山城だ」

そんな私を悟ったのか、男性が答えてくれた。

「佐和山城……って佐和山城っ!?」