「山口!おはよ~さん!」


今日は朝からエレベーターで2人きりになった。


「おはようございます。部長・・・お弁当作ってきたんですけど・・・」


「うわ!まじで?腹減らして、楽しみにしとくわ!」


大きな手で私の肩をポンと叩く。


部長に気付かれちゃうくらいの心臓の音。


鼻歌を歌いながら、エレベーターの天井を見上げる部長。

ポケットに片手を入れて、独り言のように呟いた。


「今日の弁当何やろなぁ・・・」


部長は、軽く右手を上げて、先にエレベーターから降りた。