仕事が終わる午後5時半。


フロアに響き渡る部長の声。



「柳本!!このペンション、テニスコートないだろ!!お前、ちゃんと調べたのか!!」




パソコンの画面を見ながら怒鳴る部長の元へ駆け寄る龍平。



え…


まさか。




2年前は確かにテニスコートがあったのに。



慌てて、パソコンでペンションを検索してみた。


『只今、テニスコート修復中』の文字…



あぁ…

やっちゃった。



ちゃんと調べれば良かった。


テニスを目的に行く旅行でテニスコートがないなんて致命的じゃん…


どうせ、あいつは私を責めるんだ。



『小谷がペンション担当だったんです』なんて言いながら、私に責任を押し付けて、嬉しそうに笑うんだ。




そう思った瞬間だった。