「今日から配属になりました。結城 希美です。よろしくお願いします!」



丁寧に礼をする。


周りから、パチパチと拍手の音が。


ふぅ…と、ばれないようにため息をだす。


結城 希美(ユウキ ノゾミ)。22歳。



今日からここ、企画部に配属になった。



「じゃあ…結城の指導係なんだが…あれ?」


そう言うと、部長は、グルリと辺りを見まわした。


槙本 惇(マキモト アツシ)部長。



なんか、ホワホワした感じの人。


そんなとき、


ガラッ


扉が開いた。


「遅れました。すいません。」



あたしは、その人の顔を見て、目を見開いた。



「結城、こいつが、お前の指導係の真田だ。真田、挨拶しろ。」



「真田 陸(サナダ リク)です…って、希美!?」



「り…陸!?」


「なんだ?知り合いか?」


「ああ、はい。まあ…」


「よし!じゃあ、解散!各自、持ち場にもどれ!」


「はーい。」


会議室から一気に人がいなくなる。


残ったのは、あたしと、陸だけ。


「久しぶり…だな。」


「そう…だね…」


うぅ…


気まずい…


「あれから、五年…か…。」


真田 陸。


あたしの…元カレ…。