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深夜、0時、――――。




しーんと静まり返った、駐輪場。



そうだよね。


もう、こんな時間だし。


さすがに男の子だとしても、こんな時間まで待つわけないか。



辺りを見回して、誰もいないのを確認する。




よし、――――。




家までは、自転車で5分の距離。


急いで自転車に飛び乗って、家路を急いでいたはず、だった。



信号を渡ろうとして一歩踏み出した、瞬間。



「えっ。」



身体が動かないことに、気が付いた。



「ん、―――。」



排水溝の穴にすっぽりと収まった、ヒール。


引く抜こうと、足を浮かせたまでは、良かった。



「……っ。」



スコンと、パンプスだけが、脱げた。