◇ 大哉 1




「妹が出来る。」




2つ年上の、朝陽から聞いたのは、まだ僕も幼稚園の頃。



今思えば、―――。



朝陽もやけに神妙な顔、してたっけ。



「奏多にはまだ、言ってない。」



言ったって、奏多になんかわかるわけないだろうに。


幼かった僕は、何故かとんでもない秘密を共有してしまったような気がして。



朝陽と奏多に妹が出来る、―――。



「…。」



ただ黙って、頷いた記憶がある。



それくらいの、衝撃。



妹、―――――。



そもそも、妹って何だ?