(side 誠騎)

「あの、誰ですか?

美梨って誰ですか?あなたも誰?」

───頭が混乱して上手く今の状況を

つかめていない俺。

でも、だんだんと理解ができてきた。

なぁ、嘘だよな?

美梨……笑って"冗談だよ"って、

言ってくれよ。

俺はたえきれず、病室を飛び出し、

病院の屋上にきた。

屋上の隅っこに座りさっきの事を

思い出す。

美梨…自分の事を…俺のことも………



───────忘れちまったのか?

俺達と出会ったこと。

星海の皆で過ごした時間。

星姫になったこと。

海にいったこと。

そして、───俺と付き合ったこと。

美梨…お前は"記憶喪失"なのか?

なんであのとき送らなかったんだろ

う。

なんで帰り際に時間を遅めなかった

んだろう。

なんで?

ああしとけば。

こうしとけば。

後悔ばかりが俺の心を埋め尽くす。