《お父さん、お母さんへ


親不孝な娘で、ごめんなさい。
子供が親よりも先に死んでしまうことほど親不孝なことはない、と、いつだったか聞いたことがあります。
弱くて、ごめんね。

私ね、お父さんとお母さんの前で泣いたこと、数えるくらいしかないって知ってた?
2人の前では、ずっとずっと良い子でいたかった。

良い成績を残して、
良い大学に入って、
良い会社に就いて、
お父さんとお母さんに、何不自由ない生活をさせてあげて、
元気な孫の顔を見せてあげて……。
今となっては叶わない夢だけど…。

お父さん。あの日、お父さんは結婚を認めてくれませんでした。
それって、私の死を受け入れることが出来なかったからだよね?

普段は無愛想で必要最小限のことしか喋らないお父さんだけど、
あの時は、私のことを受け入れることが出来ないくらいに、私のことを考えてくれてるんだって、悲しい反面嬉しかった。
ありがとう。

お父さん、お母さんには、これから先幸せであってほしいな。
弱い私のことは忘れてもいいから、幸せになってね。

美音より》