「…ふふ」

「…なんだよ」

「可愛いなぁ、って」

「……っ!」



1枚の布団の中で、寄り添いあうあたしたち。


別に、"そういうこと"をするためじゃ、なくて。


ただ、1秒でも一瞬でも長く、翔の体温に触れていたくて。


あたしの頭の下には、頼もしい翔の腕。


腕枕なんて、今まで何回もしてもらってるのに、

どうして今、最高に幸せなんだろう。



ポス…


静かに、翔の胸に頭を当てる。

かすかに聞こえる鼓動は、あたしを安心させてくれる。


ずっと、当たり前だと思っていた、翔のぬくもり。


それが、こんなにも安心できるものなんだ、って初めて知った。



「翔って、実はちょっと女々しいところあるよね」



あたしの一言で顔を真っ赤に染める彼が、なんだか新鮮で嬉しくなる。



───あの後。2人で目を腫れさせて、2人で笑いあった。


「「ひどい顔!」」って。


そして、翔はあたしに、隠していた物を見せてくれた。