「んじゃね、隼人。あたし水泳部見に行くから」

「は?なんでまた?」

おかしいな、麻里奈は金ヅチじゃなかったか?


放課後、みんながどの部活を見に行くか話している中で、麻里奈は迷わず言った。


「ふふ、ちょっとね。じゃぁね~」

ひらっと手を振り、駆け出していってしまう。

麻里奈なら、足早かったはずだし陸上部にでも入ればいいのに。


実際、中学の時は陸上入ってたし。

まぁ、いっか。

俺はどこにしよーかな。

鞄をリュックのように背負い、悩んでいると、のそっとナツメが立ち上がった。

一応、ナツメとも仲良くなったことだし。

「ナツメはどっか見に行くの?」

「…ん~、俺は…。弓道かな」

おっ、珍しいとこだな!

興味が湧いた俺は、ナツメについていくことにした。

「ナツメ!俺も行く!」