でも…私達の都合のいい希望は旧校舎を出てすぐに消えた
『みいちゃんいないよ…』
「そんな…」
『迎えにいかなきゃ!』
「私達が行っても見つけられないよ!真っ暗だし広すぎる」
そう言うゆうりちゃんに振り向き
『それじゃみいちゃんを置いてけって言うの!みいちゃんは大切な友達だよ!』
普段全然怒らない私はこの時初めて友達に怒鳴った
みんな私の怒鳴りに驚き黙った
「と…とりあえず職員室に行こう…先生がいるかも知れないし…居なくても電話で大人を呼ぼう」
みおんちゃんが遠慮がちに言った
『…うん。怒鳴ってごめんね…』
「ううん」
そして私達は急いで職員室に行った
運良く一人の先生が帰る準備をしていた
私は涙をこらえみいちゃんがいないことを一生懸命伝えた
それから数十分後…
連絡を受けお巡りさんや他の先生…みんなのお父さんお母さんが来た
「なつっ!」
『お母さん!!!』
ぎゅう…
お母さんは私の所に来ると強く抱き締めた
「心配したのよ!」
お母さんの声が震えていた
後から来たお父さんも震える手で抱き締めてくれた
『ごめん…なさぃ…っ…』
私はお母さんとお父さんの腕の中でずっと謝りながら泣いた
みいちゃん…ごめんなさい…
それからずっと沢山の大人の人がみいちゃんをさがしたけどみいちゃんが見つかる事はなかった