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4月、桜の季節。

今日は高校の入学式だった。



両親と一緒にバスに乗り、隣町へ。

私の入学する高校は、バスで片道1時間の遠い所にある。



バスはガタゴトと、荒れたアスファルトを進む。


父は山合いに見える海を眺め、目を細めていた。



隣に座る私は、父を見てつい笑ってしまう。



真っ黒に日焼けした肌に赤茶の髪と、金のピアス。


プロサーファーであり、サーフショップを経営している父の容姿は派手で、

入学式用に買った、真面目なスーツとネクタイは似合わない。



クスクス笑う私を見て、父は小突いてくる。


親子二人じゃれ合っていると、前の座席から母に叱られた。



「潮音、もう中学生じゃないんだから、ちゃんとしなさい。

ケンちゃんも!父親らしくしていてよ」