□ よそよそしい!? □




その晩、戒は夕食の七時になっても帰ってこなかった。


相変わらずの人数で、戦いのような食事が繰り広げられているその中―――戒の空席はぽっかりと空いたままその席が埋まることはなかった。


キョウスケにどこへ行ったのか聞こうかと思ったけれど、どうやら夏バテしているようで


げっそりと青い顔したキョウスケが一人別の食事……素麺を何とか口に入れていて


聞くに聞けない状態。


てかお前、大丈夫かぁ??


とこっちが心配になるぐらいだ。


「お前、もっと食えよ!」


とタクが無理やりナスの揚げ浸しをキョウスけの口に放り込んでいて、


面倒見のいいタクにキョウスケを任せて、あたしもはもくもくと食事を摂った。


「珍しいですね、メガネのヤツが食事に顔を出さないなんて」


隣でマサがワカサギの天ぷらを口に入れながらあたしを見てきて


「知らねぇよ」


あたしはそっけなく言い、同じようにワカサギの天ぷらを頭からかじった。


サクッ


天ぷらの衣の良い音がして揚げ具合は最高♪だったのに


けど


戒のいない食卓でそれは味気なくって……


あたしは機械的に食事を終わらせた。


夜も9時になろうとすると―――


そろそろ門限だ!


あたしは玄関の前で仁王立ちになり、どっしりと戒が帰ってくるのを待ち構えた。


9時を一秒でも過ぎたら説教だ!


と構えていると


8時58分55秒に



「ふー!セーフっっ!!」





まるで滑り込みをするかのように玄関に入ってきて、「ちっ」


あたしは舌打ちした。