□ 恋人ごっこ!? □



「せっかくここまで来てくれたので、どうです?この後朝食でも」


ドクターが扉を閉め、鍵を掛けようとしているときだった。


地面に……あたしたちの居るところまで二人の影が伸びていて、その二つの影が一層近づいた。


「朝食もいいですけれど


その前にちょっとだけよろしい?衛さん、ネクタイ曲がってるわよ」


アヤメさんがネクタイを直しているのだろう、二つの影が一つになったかと思うと―――


急に沈黙が降りてきた。


「な……何してんだろ…」


あたしは小声で戒に聞くと


「さぁ」


と戒も不思議そう。二人してそぉっっっと反対側から顔を出すと、二人は




キスをしていた。




ぅをおおおおおおお゛!!




あたしたち二人はまたもバッ!車の影に逆戻り。


アヤメさんが後ろ手にドアを開けたのだろう。


カチャッ


扉を開ける音が聞こえてきて





「ねぇ衛さん?私たちそろそろ“恋人ごっこ”から卒業しませんこと?」





ドクターに問いかけて





“恋人ごっこ”??





あたしは驚きながらもまたも首を捻った。