「お疲れ様でーす」

レコーディングルームから出ると、プロデューサーが出迎えてくれた。

「お疲れ様です」

「いやー、今回も絶対いいCDになるよ。

特にサビのところとか、すごい気持ち伝わってくる。

”好きで 大好きで”

あのフレーズ、頭から離れないんだよね」

「そう言っていただけると、ほんとにすっごく嬉しいです。

ありがとうございます!」

今回のCDで3枚目。

サードシングルは、私が初めて作った歌

初めて悠梓くんに聞いてもらった歌だった。

「今回は特にメッセージ性が高いし

珠李ちゃんらしさがよく出てると思うよ」

「はい、ありがとうございますっ!」

私はオーディションを受け、見事合格し

事務所につくことができた。

デビュー曲から順調に売れ、最近はテレビや雑誌のオファーも殺到している。

「そういえば珠李ちゃん、髪型変わった?」

「はい、似合ってますかね?」

「うん、すっごく可愛いよ。

やっぱりオシャレな美容院で切ってたりするの?」

「髪はいつも

旦那さんに切ってもらってるんです。

彼、美容師なので」

「そうか、いいなー

公私共に順調って感じだね」

「ふふっ、そうですね」